危篤の連絡を受けたとき、動揺してしまいどうしていいのか分からなくなりますよね。
しかし、他にも家族にも危篤の連絡をするなどやることがあります。
そこで、危篤時の心構えや誰に連絡した方がいいのか、伝える際のマナーなどをまとめました。
危篤とはどのような状態なのか?
危篤とは、命が尽きてもおかしくない状態のことを言います。
血圧が下がる・呼吸が微弱になる・意識状態が低くなるなど回復の見込みが低い場合に医者から伝えられます。
危篤になってからどれくらい持ちこたえるのかは、医者にも分からない状態です。
数時間で亡くなる場合もありますし、10日ほど持ちこたえる場合もあります。
その間は、「最期の時を迎える」心の準備が必要になります。
危篤と言われたら
危篤と言われた際は、危篤者を「最期まで見届ける覚悟」が必要になります。
危篤の知らせを聞くと、動揺と悲しみでいっぱいになり、どうしていいのかわからず混乱してしまうと思います。
しかし危篤は先ほど申しましたように、生命に危険が迫った状態です。
なので、なるべく早く危篤者の元へ駆けつけましょう。
危篤がいつまで続くか分からないため、泊まりがけの準備やいざというときのためにいろいろ段取りをしておくのも大事ですが、命が尽きていくのは止められません。
あとで後悔しないためにも覚悟をもって、まずは病院へ向かいましょう。
危篤と言われた際の伝え方
危篤と言われた際、病院に駆けつけると同時に、他の人にも危篤ということを伝える必要があります。
伝える人や伝えた方がいいことやマナーについて紹介します。
伝える人
危篤時に伝えるのは、
・同居している家族
・3親等以内の親族
・親しい友人、知人
です。
3親等は、自分の親が亡くなった場合は、
・自分の子供
・伯父伯母・叔父叔母
・いとこ
・自分の兄弟
・甥・姪
となります。
ですが、血のつながりにこだわる必要はありません。
特に親しくしていた友人など「最期に会って欲しい人」を優先的に呼びます。
ただし多くの人が病院へ駆けつけると、病院や他の患者さんに迷惑がかかるため、厳選して連絡しましょう。
危篤者がエンディングノートを用意していた場合、そこに書かれている人に連絡します。
どのように伝えるか
危篤を伝える場合は、電話で伝えましょう。
危篤の場合は、深夜や早朝に電話をしても、失礼にはなりません。
最初に「深夜(早朝)に恐れ入ります」と一言伝えてから、用件を話しましょう。
固定電話に出ない場合は、携帯電話にかけ、留守電を残します。
そして、メールやSNSでも危篤である旨のメッセージを送ります。
伝えること
・危篤者の名前
・自分と危篤者の関係(例:〇〇の息子の△△です。)
・来て欲しい場所(例:〇〇病院の□□号室です。住所は△△です。)
・自分の連絡先
慌ててうまく伝わらないと、臨終に間に合わなくなってしまう可能性があるため、連絡する際は落ち着いて話しましょう。
危篤を伝える際の例文
危篤の連絡をする際の例文を紹介します。
深夜や早朝に電話する場合は、一言詫びを入れましょう。
親戚へ電話で伝える場合
深夜(早朝)からすみません。
〇〇の娘の△△です。
母の容体が急変し、危篤状態になりました。
一目会っていただけないでしょうか?
場所は、〇〇病院の〇〇科、病室は〇〇号室です。
住所は〇〇です。
どうぞよろしくお願いします。
危篤者の友人に電話で伝える場合
深夜(早朝)に恐れ入ります。
〇〇の娘の△△です。
入院中の母の容体が急変し、危篤状態になりました。
母のエンディングノートに、最期に会いたい人として□□さんの名前がありましたので、連絡しました。
最期に会っていただけませんか?
場所は、〇〇病院の〇〇科、病室は〇〇号室です。
住所は〇〇です。
どうぞよろしくお願いします。
私の電話番号は、〇〇〇です。
不在時にメールする場合
深夜(早朝)に申し訳ございません。
先ほど電話を差し上げました〇〇の娘の△△でございます。
電話がつながらないようなので、メールで失礼します。
入院しております、母が危篤状態になりました。
日頃仲良くさせていただいた〇〇さんに、ぜひ一目会っていただきたく連絡を差し上げました。
病院は、〇〇病院で、病室は□□号室です。
住所は、△△です。
どうぞよろしくお願いします。
私の電話番号は、〇〇〇です。
遠方に住んでいる方に伝える場合
遠方に住んでいる方は、連絡してもすぐに駆けつけることができません。
病院まで来てもらうか、危篤者の容体を追って連絡するかを選ぶ必要があります。
来てもらう場合は、交通費の負担や宿泊場所を準備する必要があるため、関係性などから慎重に選びましょう。
伝える際は配慮が必要
高齢者や現在入院されている人、妊娠中の方や出産されて間もない人などは、伝えるのには配慮が必要です。
危篤を知らせることで、逆に体調を崩してしまう可能性があります。
知らせないことで心身に負担を掛けない方がよいのか、知らせて、その後も容体をこまめに伝える方がいいのか相手の状況や関係性・気持ちから判断しましょう。
危篤の際はどのような声かけをしたらいいのか
危篤でも意識がある場合は、声が届いている可能性があります。
悲しみのあまり泣いてしまうよりも、自分の素直な気持ちを言葉にして伝えましょう。
それぞれの立場から声かけの例を紹介します。
別れを悲しむ言葉
危篤状態は、生命が限りなく厳しい状態なので、別れがつらいという気持ちを伝えます。
家族:まだまだ一緒に過ごしたいし、「結婚式に出席するまでは死ねない」と言ってたから出席して欲しいな。まだ死んでほしくない。
友人:まだまだ一緒におしゃべりしたり、遊びに行ったりしたい。まだ死んで欲しくない。
思い出を振り返る言葉
思い出を振り返りることで、危篤者の最期を楽しい気持ちで過ごすことができような言葉をかけます。
家族:子供の頃、あまりどこにも連れて行って貰えなくて。でも初めて〇〇に連れて行ってもらったのはとっても嬉しかった。今度は私がどこか連れて行きたいな。
友人:一緒にいろいろな旅行に行ったね。2人とも温泉が好きだから、〇〇で温泉巡りをしたのはいい思い出だよ。また一緒に行きたいね。
感謝の気持ちを述べる言葉
回復する可能性もありますが、直接声をかけられるのは最後かもしれないので、いままで伝えられなかった感謝の言葉を伝えます。
家族:いままで育ててくれてありがとう。共働きで子供を預けた際も、面倒を見てくれていたね。なかなか言えなかったけどいつも感謝しているよ。ありがとう。
友人:仕事のことで困っていたら相談に乗ってくれたり、体調を崩したときにも気に掛けてくれたことは今でも感謝しています。ありがとう。
臨終を迎えられた場合
臨終を迎えられたら、病院で死後の処置を行い、病院から書類を受け取ります。
その後できるだけ早く、安置場所へ移動する必要があります。
この際、葬儀社が事前に決まっていたら、そこに連絡して来てもらいましょう。
決まっていない場合は、搬送する葬儀社を病院から紹介される場合があります。
しかし、お世話になった病院から紹介された、搬送して貰ったのに申し訳ないという理由で、搬送する葬儀社に葬儀まで依頼する必要はありません。
安置場所に搬送してから、少し時間を掛けてでも複数の葬儀社から見積もりを取り、慎重に選びましょう。
まとめ
危篤と言われたら、
・まず病院に駆けつける
・家族や親しい人に連絡する
必要があります。
危篤は生命が危険な状態で、回復が難しい状態にあるため、一刻も早く病院へ駆けつけましょう。
また同時に、危篤者に会ってほしい人にも連絡を取ります。
連絡する際は、
・危篤者の名前
・自分と危篤者の関係
・来てほしい場所
・自分の連絡先
を電話で伝えます。
深夜や早朝に電話する際は、一言「「深夜(早朝)に恐れ入ります」を詫びてから伝えましょう。
高齢者や入院している人、妊娠中や産後の人に連絡する際は、配慮が必要です。
来てもらうのか、追って連絡するのか、相手の状況を見て判断しましょう。
危篤の知らせを受けて、冷静に対応することは難しいと思います。
前もって危篤のことを考えるのは、嫌な気持ちになりますが、いざというときに最期に会ってほしい人に看取ってもらうことができます。
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